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 2017年8月23日、東京地方裁判所において、HPVワクチン薬害東京訴訟の第3回口頭弁論期日が開かれました。開廷までの間、裁判所正門前で行われたリレートークでは、学生や過去の薬害被害者の方々などが、次々と支援の声をあげて下さいました。

 午後3時から始まった口頭弁論期日では、原告、被告GSK、被告MSDがそれぞれ意見陳述を行いました。弁護団の関口正人弁護士からHPVワクチンと副反応との間の法的因果関係に関する準備書面の概要が説明された後、原告本人として原告番号1番の酒井七海さんが意見陳述を行いました。

 この原告本人の意見陳述は、第1回の期日から行われていますが、毎回原告の口から語られるワクチン被害の深刻さやつらさは、傍聴席にいる支援者 一 人ひとりの心に伝わっていることと思います。このような原告の思いが、毎回の期日を通して裁判官にも届くことを願ってやみません。

 なお、弁護団では、傍聴席には入れなかった方々のために、弁護士会館クレオにて、映像放映や被害者との交流会を企画いたしました。会場では、いくつかのグループに分かれて座り、各グループに被害者や被害者のご家族一組に入って頂きました。短い時間でしたが、参加者の皆さんからは、直接被害者の生の声を聞き、被害の重さを実感した、ぜひ支援に協力していきたいとのお声を頂きまた。次回以降も、法廷に入れなかった方々のために、直接原告の声を聞いて頂けるような企画を準備する予定でおりますので、ぜひご参加ください。

 また、今回は、法廷外企画や報告集会に引き続き、翌8月24日に行われる薬害根絶デーの前日集会が行われました。前日集会では、薬害肝炎原告の小林邦丘さんやサリドマイド被害者の増山ゆかりさんからのお話のほか、薬害スモン事件・薬害肝炎事件の概要及びPMDA(医薬品医療機器総合機構)の問題点に関する学生報告、薬害肝炎原告団・弁護団より第三者組織の設立に関する報告がされました。過去の薬害事件が起きた原因を学ぶことで、再発防止のための第三者組織設立の必要性を再認識することができたと思います。

 これまで、薬害事件のたびに薬事行政や法律が改正されてきました。しかし、残念ながら今でも薬害がなくなることはありません。引き続き、HPVワクチン薬害訴訟のご支援と共に、薬害再発防止のための活動にも、多くのご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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