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 今年(2016年)も、8月24日の薬害根絶デーに合わせて、薬害根絶を訴える集会や、厚生労働省前でのリレートーク、厚生労働省中庭の「誓いの碑」の前での碑の前行動が行われました。

 1999年8月24日、当時の厚生省は、薬害エイズ事件の反省から薬害根絶を誓った「誓いの碑」を建立し、薬害防止に最善の努力を重ねていくことを約束しました。いまだに断たれることのない薬害の根絶を願い、市民や薬害被害者がこの日を薬害根絶デーとして、集会や厚生労働省、文部科学省との交渉を毎年行っています。
 私は、日ごろ薬害肝炎弁護団やHPVワクチン薬害訴訟全国弁護団に所属する傍ら、学生、支援者、弁護士らで組織する薬害根絶デー実行委員会にも所属しており、薬害根絶デーにあわせて行われる各イベントを企画・運営しています。

 第17回を数える今年の集会では、本年7月27日に全国4地裁に一斉提訴が行われたHPVワクチン(いわゆる子宮頸がんワクチン)の副反応被害を中心に、和解締結後20周年を迎える薬害エイズ被害者の今日的な問題を取り上げました。HPVワクチン被害の報告では、被害者の少女1名と、保護者2名が登壇し、被害の実情を訴え、薬害エイズの報告では、高齢化する薬害被害者が直面する新たな問題が紹介されました。

 今年の薬害根絶デー集会は参加者の都合を考慮し、前夜に行いました。その影響もあってか、200席用意した会場の椅子は満席となり、支援者市民の熱意を感じ、薬害根絶実現への思いを私も新たにしました。
 また、薬害根絶デー実行委員会には多くの大学生が参加しており、約1年間かけて行う当日への準備や学習会等のなかで、薬害被害の歴史や現状を学んでいます。今年は薬学部の学生も継続的に準備に携わり、学生間の交流や、同年代であるHPVワクチン被害者との交流も活発に行われました。

 支援者・学生とともに、薬害の根絶に向けてこれからも薬害根絶デーが活発なものになるよう努力を続けていきたいと思います。

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