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 2015年8月24日、今年も薬害根絶デーが行われました。午前中の厚生労働省前でのリレートークに始まり、碑の前行動、集会を行って、銀座の有楽町マリオン前での街頭宣伝に終わりました。リレートークでは、様々な立場の人が各々の薬害根絶に対する思いを厚生労働省に対して訴え、碑の前行動では請願書を永岡桂子厚生労働副大臣に手渡しました。
 日比谷図書文化館にて行われた集会の今年のテーマは、サリドマイド被害と子宮頸がんワクチン被害についてでした。被害者のみなさんからのお話を中心に、薬害被害について「知る」集会になったと思います。
 まずは、サリドマイド被害について、公益財団法人いしずえの佐藤嗣道理事長のビデオ上映と概略説明があり、その後、被害者のお話として石井美和さんにご登壇いただき、ご自身の症状などについてお話していただきました。歳を重ねてこれまでとは違った症状に悩まされたり、手術などを受ける際に一般の方よりも高いリスクを負わなければならないなど、国との和解は40年以上も前に成立していますが、被害者の皆さんにとっては今もなお被害は続いていることを忘れてはならないと思い知らされました。サリドマイド剤については、多発性骨髄腫への有効性が見いだされ使用が再開されていますが、その利益にばかり目が行って再び被害を出してしまうことのないように安全管理手順は厳格なものであり続けるべきだと思いました。
 子宮頸がんワクチン被害の部では、三人の被害者の方と一人の被害者のお母様が壇上にてお話をしてくださりました。自分とあまり年齢の変わらない被害者の皆さんは、もう症状は回復に向かっているのではないか、そう錯覚してしまうほど堂々とお話をされていました。しかし、前日まで集会に参加できるかどうかわからなかったことや、いつ意識を失ってしまうかわからない恐怖と常に向き合っている状態にあることを聞いて、肉体的にも精神的にも被害があるのだと改めてわかりました。「みなさんの力をお貸しください。」幾度となく繰り返されたこの切実な言葉に、私たちは応えていかなければならない、そう強く感じました。
 当日、私たち学生は、リレートーク、司会、学生の活動報告、行動提起を担当しました。最後の行動提起では、実行委員の学生がみんなで壇上に上がって、私が代表して行動提起を行いました。一般の参加者の皆様の中にも若い人が大勢参加していました。事前学習会など根絶デーに向けて頑張ってきた身としては、同年代の方に参加してもらえていることは特に嬉しかったです。これからは、学生を含め、薬害問題について関心のある若い人たちが、実行委員会にも関わってみたいと思ってもらえるような学習会を企画して、より輪を広げていこうと思います。

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