閉じる

 HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の副作用問題をきっかけに、厚労省の薬事審議をめぐる利益相反管理のずさんさが改めて明らかになりました。

 ワクチンの副作用について検討する厚労省の委員会のメンバーたちの多くが、当該ワクチンメーカー2社からの寄付金、講演料・原稿料を受け取っていた(中には500万円を超える人もいた)ほか、座長2人を含む複数の委員がそれを正しく申告していなかったことも明るみに出ました。また、審議中に当該メーカーから金銭を受け取ってはいけないというルールがないため、明らかに審議中に金銭を受け取ったとみられる委員までいました。

 もともと国の薬事関係の審議について、各委員に関連メーカーからの金銭の受け取りを申告させ、直近の3年間で最も多い年度の金額が「500万円を超える場合は審議に参加できない」「50万円を超える場合は議決に参加できない」というルールが決まったのは2008年のことでした。その前年にタミフルの副作用を検討する研究班長が、タミフルを販売するメーカーから多額の寄付金を受け取っていたことが発覚して社会問題となったことを受けたものです。

 このルールが決まった時、少なくとも年1回は「運用状況の評価及び必要な改善方策の検討」を行う薬事分科会参加規程評価委員会(以下評価委員会という)が開かれることになっていたのですが、現実にはそれが開かれないまま4年以上が経過していました。その結果、冒頭に紹介したようなHPVワクチンをめぐる利益相反管理のずさんさが露呈したわけで、当会議では2度にわたって要望書を提出し、「すぐに評価委員会を開催して利益相反管理のルールを見直せ」と求めました。

 要望書では、ーけ取った具体的金額と時期の明確化基準金額の見直し審議中の金銭受け取りの禁止ぜ己申告だけに頼らない法律に基づく情報開示を求めました。

 厚労省は、珍しく我々の求めに応じ、2014年10月、実に4年3か月ぶりに評価委員会を開きました。2回にわたる審議では、薬害被害者代表の委員から、500万円超という基準金額は庶民感覚からいえば高すぎるのではないかという意見が出されたものの、結局根本的な見直しは行われず、各委員の申告内容を、日本製薬工業協会の「透明性ガイドライン」に基づく医師・医療機関への金銭支払いデータと突合して確認するなどの小さな改善策だけが実施される見通しになりました。

 わずかな前進と言えないこともないですが、我々が求めた抜本的改善とは程遠い内容です。そもそも透明性ガイドラインも法律に基づかない自主的開示であり、厚労省が「突合」する前に、委員とメーカーとの間で「談合」が行われてしまう可能性は否定できません。

 当会議としては引き続き制度の改善を求めて活動していきます。

閉じる