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 私たちは、2013年12月「『子宮頸がんワクチン』(HPVワクチン)の費用対効果に関する見解」を発表しました。このワクチンの費用対効果分析は、まさに爐劼いの引き倒し瓩任△蝓¬簑蠅あると指摘したものです。

 厚生科学審議会の部会では、「定期接種化して高い接種費用を税金から支払っても、子宮頸がんによる死者が減ることで十分元が取れる」という結論でした。ところがこの検討の際に参考にされた国内先行研究3論文のうち1つが、ワクチンメーカー・グラクソの社員が、その身分を明かさずに非常勤の東京女子医科大学講師の肩書きで発表していたものだったのです。

 論文の中身にも問題がありました。この論文では、ワクチン接種によって子宮頸がんになる人は73%減り、子宮頸がんによる死者も73%減ると計算されていました。一方、費用の方は「接種を受ける20〜30歳代女性の立場で分析する」という極めてユニークな前提のため、ワクチン費用は公費負担ということでまったく算定されていません。ゼロ円です。これならわざわざ専門的な手法を使うまでもなく、誰が計算しても「費用対効果は抜群」ということになるでしょう。

 最も信頼できる琉球大学のデータによれば、日本人の子宮頸がんのうち、このワクチンが対象としている16型及び18型のウイルスに起因するのは約50%に過ぎません。ということは、ワクチン導入で子宮頸がん患者はどんなに多くても半分しか減らないはずです。にもかかわらず、なぜ患者が73%も減るのか? と思いますが、このような費用対効果分析研究では、そうした有効性を示す論文が1本でも公表されていれば、それを引用した上で書くことができるのです。実際、この論文では「16型・18型は全体の71%」という論文と「16型・18型に対するワクチンの有効率は95%で、それ以外の型にもなぜか有効率27%」という、通常用いられるデータよりワクチンの有効性を極端に高く見積もった論文が都合よく引用されていました。まさに身内に対する爐劼いの引き倒し瓩任后こんなデータを参考にした議論で、定期接種化が決まっていったのです。

 現在、医薬品の保険収載にあたって費用対効果を検討すべきではないかとの検討が始まっています。やたらと値段が高くて効果の証明が乏しい新薬を次々と保険薬価収載してしまうことへの懸念からです。しかしこのHPVワクチンをめぐる動きを見ていると、薬の費用対効果研究へのメーカーの関与をどう制限するかが重大な問題になってきそうです。当会議としても今後十分ウオッチしていくことが必要です。

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