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 2013年8月29日、厚生労働大臣及び各政党に対し、「添付文書にかかる薬事法改正案に関する意見書」を提出しました。

 現行薬事法には、医薬品の添付文書の記載内容を承認の対象とする明文規定はありません。実務では、承認審査段階で添付文書案を提出させ、不備があれば改善を行政指導するという扱いがなされてきましたが、その法的位置づけは曖昧でした。その一方で、これまで多くの薬害事件で添付文書の記載の不備が問題となり、また当会議がこれまでに不備を指摘した事例も枚挙にいとまがありません。

 このような現状を踏まえ、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」(薬害肝炎検証・再発防止委員会)最終提言(2010年4月)は、添付文書について、「承認の対象とするなど承認時の位置付けを見直し、公的な文書として行政の責任を明確にする」ことを求めました。そして、続く厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会(制度改正検討部会)とりまとめ(2012年1月)でも、行政責任の明確化の必要性が確認され、添付文書を承認事項とする案と、‥塞嬖現颪寮Ю妓限、⊃柔岨の添付文書案提出義務、製造販売前の届出義務の3点について薬事法に規定を設ける案の両論が併記されています。

 ところが、2013年5月24日に国会に提出された「薬事法等の一部を改正する法律案」は、添付文書を承認の対象としない上に、製造販売前の届出義務(前記)を課すのみとなっています。

 そもそも、添付文書の重要性とこれに対する行政の関与の必要性については、現行薬事法制定時にも強く意識されており、添付文書が承認事項とされなかったのは、承認事項とすると改訂手続きが煩雑となり機動的な改訂が妨げられると考えられたためでした。しかしこの点は、簡略な改訂手続きを新設することによって十分対処が可能です。したがって、行政責任の明確化のためには、添付文書を承認事項とすべきです。また仮に承認事項としない場合には、少なくとも、申請時の添付文書案提出義務(前記◆砲鯆蠅瓩禿塞嬖現餔討承認審査の対象となることを明らかにするとともに、記載に不備があった場合の改善命令といった行政の是正権限(前記 砲鯡正することが不可欠です。

 改正案は、官僚が自らの行政責任を曖昧にするために、薬害肝炎検証・再発防止委員会最終提言及び制度改正検討部会とりまとめの結論を蔑ろにしたものというほかありません。私たちはこの改正案に強く反対します。

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