閉じる

 一般用医薬品のネット販売について99%解禁、1%の政治的な攻防と報じられています。成長戦略の一環と位置づけられています。しかし、なぜ成長戦略になるのか理解に苦しみます。

 そもそも一般用医薬品は、症状緩和などが主です。それでも副作用は重篤なものや死亡例まであるのです。厚労省の発表では、販売業者を経由して国に報告される副作用は毎年250症例前後。そのうち、死亡症例の報告も、平成19年度から平成23年度までの5年間で24例が出ているとされていますが、副作用報告が集まりにくいのも、一般用医薬品の特徴ですから、これは氷山の一角だと思われます。

 医薬品は、本当に必要な人だけが必要なときに購入し慎重に使用するべきです。病気でないが念のために飲んでおけとか、手に入りやすくなったから使ってみようといったことは、むしろ害があります。

 一般用医薬品がたくさん売れる世の中がいい世の中なのか、そういう根本的なことを問う必要があります。解禁する以上は、安全確保のための実効性のあるルールをつくることが課題です。薬害オンブズパースンでは、引き続きこの問題に取り組んでいきたいと思います。

 さて、薬害オンブズパースン会議は、設立17年目に入りました。メンバーの任期は2年、もちろん継続されている方が多いのですが、今年は交代の年です。薬害被害者の坂田和江さん、弁護士の中川素充さんが退任をされ、新メンバーとして、打出喜義さん、服部功志さんが加わりました。打出さんは、産婦人科の医師、所属大学での同意なき臨床試験の問題性を明らかにするなど、医療における人権と倫理を問う活動をしてこられました。服部さんは、薬害肝炎訴訟の弁護団メンバーでもある弁護士です。既に当会議のサポートメンバーとして登録販売者不正受験問題などを担当されています。

 新しいメンバーを迎えた薬害オンブズパースン、引き続き、ご支援をよろしくお願い致します。

閉じる