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 Tカードを主流とするTポイントサービスは、TSUTAYAを展開しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下「CCC」)を運営主体とする日本最大の共通ポイントサービスです。朝日新聞によれば、2012年6月末時点の会員は約4093万人ということです。一部ドラッグストアも加盟店となっており、読者の皆さんも、医薬品購入の際にTカードの提示を促されたことがあるかもしれません。

 このTカード(Tポイント)の仕組みを、あなたは十分に理解してカードを提示していますか。

 T会員規約を見ると、Tポイントサービスにおいては、Tカード提示時に会員が購入した商品名などの個人情報は、

 _餔が商品購入などをした当該加盟店からCCCへ提供される
◆‥該会員の個人情報はCCCと(当該商品購入加盟店ではない他の)各加盟店間で営業案内などのため使用することが可能である
 会員が会員登録をした段階では加盟店ではなかった(後に参加した)加盟店にも当該会員の個人情報が以後提供され得る

といった仕組みになっています。

 また、現在、ドラッグストアは5社が加盟店となっていますが、会員が一般用医薬品を購入した場合に、´↓のしくみで送信され、使用される個人情報は、CCCによれば当該会員が購入した医薬品の「商品名」と「代金」ということです(CCCにおいて会員の氏名、年齢、性別等が特定可能です)。

 分かりやすくいえば、ドラッグストアで薄毛の薬を買った会員の情報が共有され、カツラを製造販売する企業から営業ハガキが届くことがあり得る仕組みです。

 しかし、以上のような´↓の仕組み自体、また、医薬品を購入した場合の情報の扱いについて、会員はその全貌を十分に理解していないでしょうし、医薬品情報はプライバシーの度合いが高いことからより問題です。
               
 薬害オンブズパースン会議は、2012年11月20日、CCC、ドラッグストア5社、および厚生労働大臣、経済産業大臣、内閣府特命担当大臣(消費者庁)、消費者委員会に対し、「Tポイントサービスに関する要望書」を提出しました。
 同要望書は、次の2つの問題点を指摘し、CCCおよびドラッグストア5社に対しては、医薬品購入歴情報の抹消および加盟店契約自体の解消などを、各担当大臣等に対してはCCCおよびドラッグストアに対する勧告・命令・指導を求めています。

 第1に、ドラッグストアが患者の医薬品情報をCCCに提供する行為(前出 砲蓮医薬品情報を扱う「薬剤師」や「医薬品販売業者」が業務上知った秘密(患者の医薬品情報等)を漏らしたとして、刑法(134条、秘密漏示罪)に抵触する可能性があります。
 第2に、会員が十分に理解しないまま、会員の個人情報を第三者である加盟店との間で利用する行為(↓)は、個人情報保護法(23条1項)に抵触します。
      
 Tポイント問題をきっかけに、現代の情報化社会で、個人情報の持ち主がよく理解しないままにその情報が無限に流出していく危険性のある制度が存在することについて、考えていただきたいと思います。

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