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 2012年9月11日、厚生労働大臣および日本美容医療協会、日本美容外科学会(保阪善昭理事長)、日本美容外科学会(梅澤文彦理事長)(※)、日本美容外科医師会に対し、「美容目的の未承認医薬品に関する要望書」を提出しました。

 美容医療においては、わが国で製造販売承認を得ていない輸入未承認医薬品が用いられる例が少なくありません。

 日本国内において、医師が患者に使用する目的で未承認医薬品を個人輸入する場合には、本来、国が定める厳格な要件(ーN転絛杁淦が高いこと、代替の治療方法がないこと、M入した医師等が自己の責任のもと、自己の患者の診断又は治療に供することを目的とすること)を満たすことが必要とされています。

 こうした厳格な要件が設けられた理由について、厚生労働省は、未承認医薬品が「違法に国内に流入することを未然に防ぎ、もって、国民の保健衛生上の危害を防止することを目的とする」と説明しています。

 しかし、美容目的の未承認医薬品を使用するケースでは、治療上の緊急性が高いという要件を満たす事例はそう多くないと考えられます。

 2012年(平成24年)3月の厚生労働省の発表によれば、平成22年度に医療従事者個人用として輸入された医薬品43,291件のうち、輸入(治療)目的が「美容効果目的」とされたものは14,669件(全体の約3分の1〔33.9%〕)にも及んでいます。この数字から、少なくとも美容目的の未承認医薬品については、国が定める上記3要件が極めて緩やかに運用されている実態がうかがわれます。

 こうした緩やかな運用が継続して行われると、未承認医薬品が多くの患者に使用されることとなり、未承認医薬品が日本国内に不正に流入することを未然に防止し、また、国民の健康被害防止を図るという未承認医薬品の輸入規制の前記目的を実現することが困難となります。

 そこで、本要望書によって、厚生労働省に対し、美容目的の未承認医薬品の医療従事者個人用の輸入要件(上記 銑の各要件)を厳格に運用することや、使用患者の特定及び副作用症例収集等の体制を構築することなどを求めました。

 また、実際に美容目的で未承認医薬品を患者に使用(処方)する、美容外科を専門とする医師によって組織される諸団体に対しては、未承認医薬品の使用実態に関する実態調査と結果の公表、そして未承認医薬品を使用する場合のリスクについて患者に懇切丁寧な説明をするよう各医療機関(医師)に指導することを求めました。

 本要望書の提出をきっかけとして、美容目的の未承認医薬品の使用実態が少しでも改善されることを願います。そして、美容目的に限らず未承認医薬品全般の安全性等をめぐる問題について注視していきたいと思います。

※ わが国には「日本美容外科学会」という名称の学会が2つあります。

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