閉じる

薬害肝炎訴訟は、血液凝固因子製剤(フィブリノゲン製剤、第衆子複合体製剤)の投与によってC型肝炎ウイルスに感染した被害者の救済を目的とする裁判です。本来は、生まれつき血液凝固因子が欠けている先天性の疾患に対する治療として使用されたものですが、売血由来の血漿を原料として製造されたため肝炎感染の危険性が高く、しかも有効性が明らかでない後天性の疾患に対しても広く用いられたため、妊産婦、新生児・乳児、手術を受けた患者などに感染被害が拡大しました。現在160名の原告がこの裁判を闘っています。
裁判では、主に次の点が争われています、国の医薬品に対する安全性確保義務、製剤による肝炎感染の危険性に対する予見可能性、製剤の後天性疾患に対する有効性・有用性、製剤と感染との間の因果関係、感染被害(損害)の重大性、除斥期間などです。
何十年にもわたって肝炎対策を怠ってきた国の責任、医薬品行政・血液事業・感染症対策の怠慢・誤りを、この裁判は問うています。私たちは、被告特に国の法的責任を明らかにし国が被害者に謝罪すること、そして350万人ともいわれるウイルス性肝炎患者の救済を、この裁判を通して追及していきます。肝炎患者は、治療水準の地域格差や専門医不足、経済的・社会的事情などにより十分な治療を受けられないまま病状が悪化し、肝硬変や肝癌によって年間3万人を超える命を落としているのが現状です。すべてのウイルス性肝炎患者が安心して治療を受けられる体制の実現に向けて国に主導的役割を果たさせること、それがこの裁判の目的なのです。こうした目的を達成するためには、裁判に勝利するだけでなく、国会、地方議会、マスメディア、肝炎患者、そしてすべての地域の市民が被害者の怒りに共感し、ともに怒り、ともに活動することによって、行政を動かす原動力をつくらなければなりません。現在、原告団・弁護団は活動の大半を、この一点に絞っています。
昨年の大阪判決・福岡判決では国の責任を認定する司法判断がなされたにもかかわらず、国は被害者の声を聞こうともせず、有効な政策を何もとることなくそれぞれ高裁に控訴しました。3月23日には東京地裁で3番目の判決が言い渡されます。大阪・福岡判決を、東京地裁がさらに前進させ、全面解決への大きな足がかりになることを期待しています。

閉じる