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某月某日、内科の診療室にて。喘息のAさん。テオフィリンを朝夕服用していたが最近は夕方一錠だけで落ち着いている。結構なことだ。できれば減量していきたいな。Bさんは左の季肋部痛(胸とお腹の境界部分の痛み)を訴えておられる。右なら胆石かと思うが左とは……。胃や腸の病気を考えてみる。Cさんは糖尿病でインスリン注射をしているが努力しておられるのに血糖値が安定しない。久しぶりに心電図をとってみると虚血性変化(狭心症など心臓の病気)の兆候があってドキッ!
 DさんはインフルエンザAと診断され解熱して排便後倒れたとのこと。すぐに回復したようで良かったが、タミフルは服用していなかったかな?要確認。Eさんは診療室に入るなり息が荒い。喘息発作のヒューヒューする音が聴診される。ベータ刺激剤の吸入薬を処方する。Fさんは発熱を訴えて来院。蛋白尿がありC反応性蛋白が著明に上昇、白血球も上昇。腎盂炎かもしれない。抗生剤の点滴を開始……。というような調子で1時過ぎには診療を終える。
 四月二一日、今日は日本小児科学会に誘われて参加。イラクの子ども達の現状を訴える写真展に協力する。戦争は全ての医療努力をご破算にすることを実感する。この日たまたま長崎大学医学部で研修中のイラク小児科医と出会う。写真展のパネルの前で急遽プレゼンが始まる。急な話であったにもかかわらず多くの小児科医が立ち見で耳を傾けていた。
 四月二二日、インフルエンザに対するタミフルの使用についての発表を聞く。データの取り方に対して鋭い批判的質問が出る。同日インフルエンザ研究の第一人者である菅谷氏らがシンポジウム。タミフルは安全であり世界一の使用量は誇るべきことという発言に唖然。夕方は自由集会でインフルエンザワクチンの問題(大阪赤十字病院、山本先生の講演)とタミフルの副作用(浜先生の講演)を聞く。熱心な小児科医の議論に私は羨望の眼差し。
 翌日、へとへとになって帰宅。でも明日は講義があるな。

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