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 日本の医療保険では医師や医療機関が患者さんに直接薬を売るという世界の常識では考えられない状態が、1960年代なかばからずっと続いてきました。そのため患者さんは、自分の服用している薬に副作用や飲み合わせはもちろんのこと、自分の身体のなかに入れる薬の名前すら知らされていないできました。また、行政や製薬メーカーも医師に気をつかうあまりに、ややもすると実際には薬の最終消費者である患者さんのことよりも、医師や医師会の方ばかりを向いていました。こうしたことの結果が、国際的にはとても医薬品として承認されない、効かないくすりや危険な薬が日本では大手をふって使われてきたのです。このような状況を改善していくためには、少数の良心的な専門家にまかせておくだけでは駄目だと思います。
 病気になればだれでもが薬に頼らなければならないわけですから、多くの市民が日本の薬を良くするためにはどうしたらいいかを、健康なときから考える必要があります。そうした意味で「薬害オンブズパースン」の会が幅広い人々に支えられ、さらに発展することを願わざるをえません。

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