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 「何をどこにどう保管するか、厚生省内の資料保管の基準とスペースがないので、当時の資料はかなり散逸しており調査に苦労しています。」薬害エイズ事件の際に聞いたことのあるようなセリフですね。
 これは、私達が最初に取り上げたフェノテロール製剤に関して、ニュージーランド政府がこの薬を保険対象薬からはずす決定をした根拠の一つとなった論文について、日本では市販後の調査でどう検討したのかを問う私達の質問に対する厚生省側の回答です。私達が質問を出してから2月以上経過した時点で実現した面談時の中間回答がこれでした。
 1年近い準備期間を経て、薬害オンブズパースンが本年6月8日に正式に発足してから5ヶ月余、この間、危険薬毎に担当班会議を開き、さらに毎月1回日曜日午後1時から6時頃まで定例の全体会議を開くというペースで活動を重ね、フェノテロール、ヒト乾燥脳こう膜、塩酸イリノテカン。トリルダン、H2ブロッカーなどを検討しました。たったこれだけでも、市販後の医薬品の安全性チェック体制のお粗末、厚生省の危機管理能力不足、治験のいい加減など日本の医薬品を巡る問題点などがみえてきました。知れば知るほど背筋がさむくなります。大事なことはこれを皆さんとどう共有していくのかです。試行錯誤を繰り返しながら、タイアップグループの皆さんと新しい市民の運動を作りたいと思います。

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