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 薬害オンブズパースン・タイアップグループは、本年10月で設立5周年を迎えました。ここで、この5年間の活動を振り返り、併せて今後の課題を考えたいと思います。

1 活動の展開
 タイアップグループは、薬害オンブズパースン会議を支援することを目的として、個人たる一般市民のみを構成員としています。活動の内容については常に薬害オンブズパースン会議と密に打ち合わせ、役割を分担しつつ活動を展開してきました。独自の活動としては、年3回の機関紙発行の外、H2ブロッカー配合胃腸薬購入実態調査や脳循環代謝改善剤に関する情報公開請求と住民訴訟、薬事委員会に関する情報公開請求やアンケートの実施など多岐に渡ります。また、薬害オンブズパースンのメンバーと共に個別薬の検討も行ってきました。また各地での学習会も継続的に行ってきた結果、新たな人材発掘にも成功し、2年に1度の薬害オンブズパースン任期替えの際には、タイアップグループから薬害オンブズパースンを輩出することを実現しています。

2 組織と会員数
 タイアップグループは支部制を採用しており、現在6支部です(札幌・函館・仙台・東京・名古屋・福岡)。このところ新たな支部設立はありませんでしたが、現在青森で準備会が設立され、近日中に正式な支部発足が実現する見込みです。各地での取り組みには人的な困難も伴いますが、薬の消費者の立場から活動する市民団体が各地に存在する意義は決して小さくなく、先に述べた活動の意義も全国展開していることにより高い評価を得られている側面もあります。別掲の薬事委員会アンケートの回収率を見ても、私たちの活動が次第に医療関係者の間で市民権を得てきていると評価できると思います。
 会員数は各支部を合計して522名です(2002年8月末現在)。多くはありませんが、ホームページ等を通じて毎月新規加入者も出ています。

3 今後の課題
 今後の課題について整理してみました。
(1) 組織の拡大
 タイアップグループは、活動の性質上各地で何百人もの会員が常時活動することは困難であり、むしろ全国各地にこのような組織と市民が存在し、いざという時に全国一斉の行動が取れるというところにポイントがあると思います。したがって、第一の課題としてはやはり支部数の増加が必要です。このことが、活動のインパクト、会員数増加、財政の健全化のいずれにも寄与することにもなります。

(2) 専門家との交流拡大
 各地の活動として、専門家(医師・薬剤師)との連携・サポートが極めて重要です。この連携・サポートは、医療機関や製薬企業への働きかけにも不可欠の前提であり、この連携・サポートがうまくいくと、支部の活動は活性化、多様化する傾向にあるようです。

4 最後に
 薬害オンブズパースンとタイアップグループは、繰り返される薬害に対して市民が出来ることをするという目的で設立された団体です。したがって、それぞれの会員の方が無理のない範囲で活動しつつ、出来るだけ息の長い活動をしていきたいと考えています。

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