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 当会議では、1997年6月の発足当初から、喘息発作治療薬・ベロテックエロゾル(フェノテロール製剤)について、心臓死を招く危険性を指摘して販売中止を求め、ベロテックエロゾルによる心臓死の被害について、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構に対する被害救済申請を支援してきましたが、昨年12月末、3人の被害者について、遺族年金等の支給が決定されました。ベロテックによる心臓死の救済決定は初めてです。
 べーリンガーインゲルハイム社は、当会議の販売中止要請に対し、ベロテックは適正に使用していれば安全性に問題はないと主張してきましたが、救済制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害に対して、各種の救済給付を行い、被害者の迅速な救済を図ることを目的とし、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法に基づく公的制度として設けられたものです。従って、支給決定がなされたということは、ベロテックは適正使用によっても副作用として心臓死を招く薬剤であると公的に認定されたことを意味し、その意義は極めて大きいといえます。
 ベロテックの販売量は、当会議が取り上げた97年6月以降減少し続け、これに相関して喘息死数も減少し、危険性は疫学的にも明かになっています。当会議では今回の決定をふまえ、販売中止に向け、さらなる活動を展開していきたいと考えています。

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