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 糖尿病治療薬ノスカールについては、1997年12月、重篤な肝機能障害を理由に、厚生省から緊急安全性情報が出されたのを受け、当会議では、1998年2月、厚生省と三共に「緊急要望書」を提出して具体的な副作用情報の公開請求と危険性の周知徹底の方策の実施を求め、さらに同年5月、三共に対し「再要望書」を提出して情報の公開を強く求めました。これを受けて、厚生省は三共に対し、危険性の周知徹底のための指導を行いましたが、当会議の求めた情報の公開はなく、厚生省と三共は、当会議の指摘した危険性は1回の肝機能検査の実施により回避できているとの見解を示していました。そこで、当会議は情報の収集を中心に監視を継続することとしました。1999年3月、英国でノスカールの承認申請が却下されたとの情報に接し、改めて販売中止の申し入れを行うことを検討していたところ、米国においてノスカールの販売がFDAの指導によって中止となり、これに連動して本年3月22日、三共はノスカールの販売中止を公表しました。しかし、承認が取り消されたわけではなく、販売再開の可能性もあるため、当会議では2000年7月、厚生省と三共に対し、承認取消等の要望書を提出しました。

用語説明
ノスカール(トログリタゾン):
インスリン非依存型糖尿病でインスリン抵抗性のある患者の治療薬。1997年3月薬価収載。これまでに20万人以上の患者に投与、9例の死亡、110例の重症肝障害患者が発生。発売は三共株式会社。

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