調査・検討対象

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B型肝炎ウイルス(HBV)ワクチン

1 B型肝炎ウイルス(HBV)ワクチンとは

  1. (1) B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(以下「HBV」という。)に感染したことにより発症する肝炎である。
  2. (2) B型肝炎ワクチンの効能・効果は、B型肝炎の予防、B型肝炎ウイルス母子感染の予防、HBs抗原陽性でかつHBe抗原陽性の血液による汚染事故後のB型肝炎発症予防とされている
  3. (3) 製剤の種類(商品名:承認年:企業名)
    現在、国内で製造されているB型肝炎ワクチン(組換え沈降B型肝炎ワクチン)は以下の2種類。
    1. ビームゲン:1988年:化学及血清療法研究所
    2. ヘプタバックス供1988年:MSD株式会社

2 取り上げた経緯

2011年11月、厚労省・ワクチン評価に関する小委員会は、B型肝炎ウイルスへの水平感染と再活性化の防止を目的としてB型肝炎ウイルスワクチンの定期接種化の検討を開始し、2015年1月、定期接種化案が了承されるに至った。
しかし、B型肝炎ウイルスについては、後述するように母子感染防止事業が奏功しており、現時点において定期接種化すべき必要性があるか否かは判然としない。そこで、B型肝炎ウイルスと同ワクチンに関する医学的知見を整理しつつ、定期接種化の目的とこれを支える立法事実の有無等につき調査・検討を開始することとした。

3 何が問題か

  1. (1) 検討の視点
    ワクチンの定期接種化は、法律(予防接種法)による接種の努力義務化を伴うため、接種が半ば強制され、任意接種の場合と比べると接種者数は大幅に増える。このように定期接種化の影響はとても大きいことから、ワクチンの定期接種化については、そのワクチンに高い安全性と有効性があるといえるかどうか、また、定期接種化しなければならない程の公衆衛生上の必要性があるかどうか、という視点から検討する必要がある。
  2. (2) B型肝炎ワクチンの安全性と有効性
    B型肝炎ワクチンは世界各国で長年使用されており、安全性には問題がないとの声が多いが、日本国内における新生児(今回の定期接種化の対象者)に対する安全性を示すデータは少なく、今後検討が必要との指摘もあり、定期接種に用いることが可能な程度の高い安全性があるといえるかは未だ疑問である。
    また、複数あるB型肝炎ウイルスの遺伝子型に対して、市販のB型肝炎ワクチンが効果を発揮できるかどうかについての明確なエビデンスは未だなく、高い有効性があるかも疑問である。
  3. (3) 定期接種化しなければならない公衆衛生上の必要性
    日本では、HBVキャリアの新たな発生を根絶し、HBVによる肝硬変、肝がんを撲滅することを目的として、1986年から母子感染防止事業(感染の危険性のある母親から生まれる子どもに対するB型肝炎ワクチンの接種費用の公的助成)を開始しているが、高率の受診率(95%前後)維持により、5歳未満の子どもの感染者(キャリア)数も事業開始前と比較して約10分の1に減少しており、母子感染の95%以上が防止されるようになったと評価されている。こうした現状を踏まえると、現時点でさらに定期接種化しなければならない必要性は乏しい。
    また、国が定期接種化の主たる目的として挙げる水平感染の防止についても、どの程度の接触があれば感染するのかについて明確な知見はなく、また、そもそもB型肝炎ウイルスに感染したとしてもその多くは肝がんや肝硬変などへ移行する可能性が低いという事実も看過できない。
  4. (4) 結論
    以上を踏まえると、現時点でB型肝炎ワクチンについては定期接種化する必要はなく、むしろ未だ明らかとされていない諸点について調査を行うことが先決である。また、ワクチン行政には正確な情報が提供されることが大前提であり、国はB型肝炎とB型肝炎ワクチンについて、正確な情報を提供するよう努めるべきである。

4 基本的な行動方針

厚生労働省は、2016年4月13日、B型肝炎ワクチンを定期接種化すること等を内容とする政省令の改正案を作成し、これに対する意見(パブリックコメント)募集を開始した(平成28年4月13日付「予防接種法施行令の一部を改正する政令案」及び同日付「予防接種法施行規則及び予防接種実施規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集(案件番号:495160020、495160021))。
そこで、上記3の問題点を意見書としてまとめ、パブリックコメントとして提出する。

5 具体的行動

2016年5月12日、「B型肝炎ウイルスワクチンの定期接種化に関する意見書」を作成し、厚労省へパブリックコメントとして提出し、当会議のホームページ上でも公開した。

6 今後の課題

今後の課題として、(貉甸鏡事業での安全性確認の検証、∈8綣舂となると予想されるヘプタバックス兇療魂段の問題点、9敲譽▲譽襯ー、ラテックスアレルギーをめぐる問題点、VAERSのデータ、ダ睫席現馘情報提供の問題点等があり、これらについて、引き続き検討する予定。

トピックス

  • 薬害オンブズパースン会議
  • タイアップグループ
2016-05-12
B型肝炎ワクチンの定期接種化等に反対する意見書を提出