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 脳循環・代謝改善剤が「効かない」との理由から承認が取り消された経過については、先のオンブズパースン機関誌で解説しました。その後、厚生省は他の脳循環・代謝改善剤29成分2処方に関しても、今年1月までに再評価指定を行い、3ヶ月の期限を限って有用性を示す資料の提出を求め、その資料に基づいて評価を行うと発表しました。さらに、その評価の結果で追加試験の実施が必要と判定されたものについては再評価指定を行い、指定から2年後までに新しい臨床試験成績の提出を求めるという方針も打ち出しています。これらの決定は先に薬害オンブズパースンが提出した要望にも叶うものであり、評価に値します。
 しかし、先に承認が取り消された4成分に関しても、肝心のデータ開示は拒否しており、今後の再評価が厳密な科学的判断のもとに行われるかどうかは、予断を許しません。「(承認取り消しのあった4成分は)承認の時点では有用性があったが、その後の医療環境の変化によって有用性を失った」などという苦し紛れの弁明を許さないためにも、データの公表を強く求める必要があります。そこで、オンブズパースンはさらに次のような要望を行いました。

1. 脳循環・代謝改善剤29成分2処方の第一次再評価指定に基づき提出される資料の速やかな公開。
2. 第1次再評価の結果第二次再評価の対象とされた成分・処方について、臨床試験目的以外の使用を中止する措置をとること。

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