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 サリドマイド製剤は、1950年代末から60年代初めに世界の40カ国以上において販売された鎮静・催眠薬です。サリドマイド製剤は、1961年11月にドイツのレンツ博士の調査により催奇形性が疑われると警告されたため、欧州各国では直ちに薬が回収されましたが、日本では62年5月まで何の対策も取られず、この対策の遅れにより被害が倍増しました。被害者数は、世界で数千人から1万人、日本では約千人と推定されています。

 その後、サリドマイド製剤は、多発性骨髄腫に効果があることが報告されたため、日本でも2008年に再び承認されることになりました。しかし、過去に悲惨な薬害を発生させた教訓から、胎児への薬剤暴露を防止するための厳格な管理手順が定められてきました。厚生労働省は、その安全管理手順に関する改訂案を2018年5月に発表し、パブリックコメントを募集しました。その主な改訂内容は、〔剤管理者の要件を具体化すること、∋通瑤硫鷦が困難な場合で、第三者曝露のリスクが見込まれない場合には、残薬の回収を必須としないとすること、Gタ韻硫椎柔のない「女性患者B」の定期確認票を廃止することの3点であり、特に△鉢については多発性骨髄腫患者にとっての煩雑さを軽減させることを目的とするものでした。

 これに対し、当会議は、2018年6月9日、主に、〇通瑤硫鷦に例外を設ける改訂案に反対する、⊇性患者Bについて定期確認票を廃止する改訂案に反対する、6饌硫修気譴震剤管理者の3要件を全て満たさなければならないことを明記すべきであるとの意見を提出しました。

 サリドマイド製剤の催奇形性のもたらす被害は極めて深刻です。忘れてはならないのは、サリドマイド製剤の被害が、何の責任もない胎児に生じるということです。単なる煩雑さを理由に安全管理手順を緩和してもよいのでしょうか。多くの胎児の命を奪い、筆舌に尽くしがたい苦しみを与えた薬害サリドマイド事件を今一度思い起こしながら、慎重に検討すべきです。

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