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 「ベンゾジアゼピン系薬物」をご存知でしょうか。それ自体は耳慣れないかも知れませんが「安定剤」「睡眠剤」として日本で販売されている医薬品のほとんどがベンゾジアゼピン系薬物です。副作用が少ないと信じられ、精神科だけでなく一般内科や整形外科でも安易に処方されてきた結果、日本における単位人口当たりの使用量は今や世界最多とも言われています。

 しかし、ベンゾジアゼピン系薬物は、大量服用した場合だけでなく、常用量(承認用量)でもわずか数週間で身体的・精神的依存を生ずる危険性があり、中には錯乱、幻覚など深刻な離脱症状を生じる場合もあります。そのため、欧米各国はベンゾジアゼピン系薬物の処方継続期間を概ね2〜4週間に制限しています。

 当会議は、2015年10月に「ベンゾジアゼピン系薬物に関する要望書」を厚労省や関連学会等に提出し、常用量依存と離脱症状を添付文書の警告欄へ明記すること、処方継続期間を制限することなどを求めました。それから1年半が経った2017年3月21日、厚労省は、承認用量でも連用により依存が生じる危険があることを理由として述べたうえで、各メーカーに対し添付文書の「使用上の注意」を改定して連用による依存について記載するよう指示を出しました。
 
 しかし、実際の改訂内容は単に「大量連用」という従来の記載から「大量」の2文字を削除しただけのもので、これでは常用量でも依存が生じることの明確な注意喚起とは言えません。また「漫然とした継続投与」を避けることを記載するよう指示したものの、医師が漫然でないと考えている限りいつまで連用しても問題がないかのような印象を与えてしまいます。
 
 そこで、当会議は、2017年11月1日、厚労省に対し、‐鑞冦粍預犬鬚呂辰りと明記し、しかも「使用上の注意」欄ではなく「警告」欄に記載すること、⊇菠継続期間を各国にならって原則4週間以内に限定すること、などを求める意見書を提出しました。

 海外では、カウンセリングなどの精神療法が重視される傾向にあり、精神科病棟自体が廃止された国も出てきています。

 これに対し、日本の精神医療は、未だ30万人の入院患者を抱え、「薬漬け医療」とも批判されています。

 今後は、そのような日本の精神医療全体の問題にも目を向けていきたいと考えています。

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