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 2008年11月28日、薬害オンブズパースン会議は、「子宮収縮剤オキシトシンに関する意見書」を、厚生労働大臣、富士製薬工業株式会社、あすか製薬株式会社および武田薬品工業株式会社に宛て、提出しました。オキシトシンは、子宮収縮作用があり、臨床では、特に陣痛誘発ないし陣痛促進のために多く使用されている医薬品です。
 意見のポイントは2点あり、1点目は、添付文書の改訂、すなわち、「重大な副作用」欄に、血圧上昇から脳出血に至る副作用を記載すべきこと等です。2点目は、実態調査の実施、すなわち、過去の妊産婦の脳出血事例についてオキシトシン使用との関連性を調査する研究班設置を求めることです。
 米国の添付文書では、高血圧及びくも膜下出血による母体死亡についての記載がなされていますが、日本の添付文書には記載がありません。国内において、オキシトシンの投与による脳出血の例が報告されていますが、患者が脳出血の徴候をあらわす血圧上昇、頭痛・しびれの訴え、嘔吐等の症状を呈していたにも関わらず、担当医は一切脳出血を疑うことはありませんでした。添付文書の記載が不十分であることから、医療現場において、オキシトシンの副作用として脳出血が発生することが十分認知されていない可能性があります。副作用としての脳出血について臨床医の認識を高めるためには、添付文書に記載すると共に、その実態を調査する必要が高いといえます。
 意見の趣旨とその理由については、ホームページに掲載しましたので、ご覧下さい。

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