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 いよいよ一般用医薬品の販売体制の見直しは最終章に入った。検討が始まった2005年当時、医薬品販売への規制緩和の波に対し、医薬品販売医薬行政は消費者の利便からではなく、生命健康の保護の視点が必要とし、規制緩和を牽制する中で、規制緩和の波に飲み込まれるように医薬品販売の見直しに着手した。結局、厚労省は「一般用医薬品のリスクの程度に応じて専門家が関与し、販売時の情報提供等が適切に行われる等、国民から見てわかりやすく、かつ実効性のある販売制度を構築することにより、医薬品の適切な選択及び適正な使用に資することを目的として、薬事法の一部を改正する法案を2006年に国会に提出した。この法案の可決を受け、2009年には改正薬事法の施行が予定されている。
 現在、改正薬事法において規定された販売の体制や環境の整備を図るために、必要な省令等の制定にあたって、必要な事項を検討するために「医薬品の販売等に係る体制及び
環境整備に関する検討会」が設置され、環境整備のための次の項目について議論を行っている。
1, 情報提供等の内容・方法
2, 情報提供等に関する環境整備
3, 情報提供等を適正に行うための販売体制
4, 医薬品販売業者及び管理者の遵守事項等
 2月の検討会設置時では4月中の報告書提出としていたが、4月末で論点整理を行っているところで、おそらく報告書の提出は5月末にずれ込む見通しである。
 いずれにしても、改正薬事法が施行されれば医薬品販売体制は大きく変わることになる。
 これまでのような健康食品やサプリメントなど、販売側からの一方的な情報が溢れる医薬品販売は、薬事法の改正で現状よりは確実に是正されるはずである。知識専門家による常時配置や情報提供が確保されたことなど、消費者にとっての利点も多い。消費者自身が医薬品販売のあり方を十分に理解し、それを有効活用するための努力にかかっていると思う。

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