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薬害オンブズパースン会議も8年目を迎えます。この間,実にたくさんの医薬品の問題を採り上げてきたと思います。そして,こうした地道な取り組みが少しずつ行政にも影響を与えていることも事実です。
 かといって,薬害オンブズパースン会議は,年々やる事がなくなっているのでしょうか?全くの反対です。
 検討対象薬は年々増えていく一方です。また,薬事行政も,独立行政法人の問題をはじめ,最近では一般用医薬品の販売,未承認薬の承認,治験などで「規制緩和」の動きが着々と進んでおり,医薬品の安全性確保に不安が生じつつある状況にあります。そして,残念ながら薬害肝炎,イレッサなどの訴訟は続いており,これらについて国,製薬メーカーは多くの被害者が出ているのにその責任を認めようとしません。
 「残念ながら」,私たちの活動は今後も継続し,むしろ強化していかなければなりません。
 そのためには,現在,この活動に関わっている方々によりがんばって頂くだけでなく,新たな人たちを仲間にしていく必要があります。
 ここ数年,会議を傍聴し,企画に参加した一人としての率直な感想は,若い世代の人がそんなに多くはないということでした。
 他方で,最近,薬害に関心を向けている学生が少しずつ増えつつあります。
 薬害肝炎訴訟では,全国各地で,学生の支援グループができ,裁判傍聴・学習会・宣伝活動などを繰り広げています。医薬系の学生の有志も,大学の枠を超えてグループを作って,医療,薬をめぐる問題について学習し,様々な活動をしています。
大学教育などで薬害被害者や弁護士などの講義の機会も増えており,学生が関心を抱く契機になっています。
 こうした人たちが薬害オンブズパースン会議の意義を理解し,参加できる体制を作っていかなければなりません。これまで,こうした仲間を広げていくことに関しての宣伝,広報活動は決して充分でなかったと思います。
 現在,薬害オンブズパースン会議では,一般(特に,学生や若手の医療従事者)などを対象に,これまで検討した対象薬を題材にセミナーを行うことを検討しています。
 個人的にはもっと若い中学生,高校生などを対象に医薬品の安全についてともに考え,学んでいく場を作ることが出来たら面白いと思っています。
 是非,皆さんもこうした活動をして欲しい,こうした活動はどうかなどご提案をいただければと思います。

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