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アラバ(レフルノミド)は、関節リウマチを適応として、海外での比較臨床試験成績などに基づき2003年4月承認されました。実は本剤は、申請前の動物での毒性試験で安全域が確認できず、臨床試験でも同様の所見が認められ、やはり安全域が確認されていません。市販後に重篤な血液障害、皮膚症状が報告され、欧州で1999年10月に、米国では2000年2月に添付文書改訂で注意喚起がなされています。同じく重篤な肝障害で、欧州において2001年3月に添付文書改訂、米国では2003年10月、命を脅かす肝毒性・感染症について太字の新たな警告で医療従事者に注意喚起しています。また米国パブリック・シティズンはすでに2002年3月に、「同剤に重篤な肝毒性などの害反応があり、代替のより有効で安全な治療剤が存在している」との理由で、米国食品医薬品局(FDA)に、本剤の市場からの撤去を求めています。

このような背景を持つアラバは、一旦販売中止になっていたクエストラン(コレスチラミン)を本剤有害反応に対処する医薬品として再発売し、また添付文書に多数の警告を記載し、市販後の全例調査体制をとるなど、「万全の体制」をひいて販売を開始しました.ところが2004年1月、間質性肺炎がおき、発売後4か月で5人が死亡したことが明らかになりました。そこでパースン会議では本剤の検討を開始し、以下の結論を得ました。

1、日本人においては間質性肺炎が1%を超える頻度で認められ、死亡例も出ている.今回の承認はブリッジング・スタディという海外のデータを利用したスピード審査であり、日本人で厳密な管理下での最終臨床試験(第形蟷邯魁砲鮗損椶靴討い覆ぁ今回の事態は、肺がん治療用にイレッサを短期間で認可し、多数の死亡者を出したことに通じるものがある.予想される危険性を上回る事態が生じたのであるから、第形蟷邯海鯑本人で実施し、安全性を再確認すべきである。
2、本剤は、効果においては標準薬剤であるメソトレキサートやスルファサラジンに勝るものではないとのデータが得られている。一般診療においては、死亡につながるような有害反応がはるかに少ない代替薬が複数存在するので、本剤の保険薬使用を一時停止して第形蟷邯海念汰汗・有用性を確認することは、患者の不利益をもたらさず、科学的かつ倫理的な態度と言える。
3、本剤については、間質性肺炎での死亡率が高いことが問題になって以降、必要な安全性情報が、医療関係者や患者・市民に公開されていない。安全性情報の全面的公開が必要である。

以上の観点から8月3日厚生労働省とアベンティスファーマ株式会社へ要望書を提出しました。




要望書要旨
厚生労働省とアベンティス ファーマ株式会社は、次の事項について、協同して必要な措置をとること。また、アベンティス ファーマ株式会社が主として行うべき事項については、厚生労働省はアベンティス ファーマ株式会社を指導すること。

1.アラバ(レフルノミド)の一般臨床使用を一時停止し、本剤の使用を厳密に
管理された臨床試験に限定する。

2.死亡例が報告された以降の安全性にかかわる情報を直ちに整理し、全面的に情報公開する。

3.本剤の治療上の位置づけの明確化のため、 標準薬剤であるメトトレキサートが無効ないし使用不能の症例での、第2選択剤としての本剤の有効性、安全性についてデータを整理して示す。そうしたデータが不足しているなら、臨床試験を行い明らかにする。

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