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 アジスロマイシンとは、抗生物質の1つで、一般名をアジスロマイシン水和物と言い、ファイザー製薬より「ジスロマック錠250mg」等4種が販売されています。うち3種にうたわれている効能・効果は、アジスロマイシンが効果を有するブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、インフルエンザ菌等による咽喉頭炎、気管支炎、扁桃炎、肺炎等となっています。
 2002年5月、厚生労働省は「医薬品・医療用具安全性情報」第177号を出して、この医薬品により重症型薬疹であるスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)が21人、中毒性表皮壊死症(TEN)が1人、アナフィラキシーショックを含むショックが25人(うち「本剤との関係を完全に排除できない」死亡例が1人)報告されていることに注意を喚起しました。そして、同剤の添付文書には、そうした重篤な副作用が起きることがあること、そのことを医師が投与前に患者に対し伝えるなどの事項が追加されました。
 この問題について、6〜8月の本会議で検討した結果(1)本剤の適応症を全面的に見直すこと(2)企業が患者用の添付文書を作ること、の2点を要望する方向で検討することになりました。(1)の理由は(a)本剤の組織内半減期が長いことから、上記のような副作用が出て早期に服薬を中止しても、なお悪化し、最悪の場合は死亡するおそれがあること(b)そうした予測しがたいリスクがある以上、本剤は、本剤でなければ治療できないような患者のみに使用すべきであり、本剤の現在の適応症は他の多くの抗生物質で治療可能だからです。また、(2)の理由は、副作用症状の発生に最初に気づきうるのは患者であり、そうした情報はまず患者に伝える必要があるからです。
 私達は、9月の会議でこれらの要望をまとめ、企業と厚生労働省に提出の予定です。

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