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 前号でもお伝えしたとおり、タイアップグループ全国統一行動として、全国30か所の国立病院・国立大学付属病院に対し、情報公開法に基づき薬事委員会議事録の開示請求を行いました。今回はその結果の概要をご報告します。

情報公開度
 これまでに情報開示がなされた24病院中、薬事委員会委員や申請者などの医師名を不開示(墨塗り)とした病院が13あり、うち2病院は申請理由なども不開示としました。このように部分不開示が多発するのは予想外であり、病院側の情報公開に対する防御的姿勢が明らかになりました。
 また、議事録自体も、「A薬を採用した」等の審議結果の報告にとどまるといった、内容の乏しいものが多く、採用にあたってなされた議論の内容までが記録されている病院は限られていました。
 薬の採用決定過程の「透明度」は非常に低いといえます。

議論の内容
 前述のとおり議事内容が必ずしも明らかではないのですが、申請された薬が不採用となるケースは非常に少なく、多くの病院で、ほとんど議論らしい議論のないまま、いわばフリーパスで申請通りの採用がなされていることが窺われます。
 議論がなされている場合でも、その内容はもっぱら薬の「使いやすさ」や経済性の問題であり、申請された薬の有効性・安全性についての検討を行っている病院は、少なくとも今回の情報公開の結果から見る限りでは、皆無といってよい状況です。
 薬事委員会の形骸化は予想以上であり、その存在意義を問い直す必要がありそうです。
 ※本稿執筆時点では、全ての病院の開示手続は完了していません。最終的な分析結果は、11月のタイアップグループ全国総会及びホームページ上でご報告する予定です。

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