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 去る11月5日、公開会議「お産のくすりは安全?-子宮頚管熟化促進剤を考える-」が開催されました。今回の公開会議は子宮頚管熟化促進剤マイリスをとりあげ、パースン会議がこの問題についてどのように検討し、結論を導き出し、行動を起こしてきたかを市民の方々に見てもらうために行われました。参加者61人と前回より少なめでしたが、お産というテーマを反映して、出席者及び会場からの発言者に女性の姿が目立ったことが今回の特徴でした。
 公開会議の導入部分はパースンメンバー配役によるミニコントで始まり、マイリスを処方する産婦人科医と、妊婦、夫、看護婦らのやりとりの中でマイリスの有効性、安全性に疑問が投げかけられるという設定で行われました。その後、新薬学研究者技術者集団の近藤氏からはマイリスの女性ホルモン作用の点からの問題点が指摘され、また、医薬品・治療研究会の調査報告によって、マイリスの臨床的必要性、有効性には科学的根拠がなく安全性の面からも問題があるということが浮き彫りにされました。そこでパースン会議では厚生省、製薬会社に対し製造販売の一時中止等を求める要望書を提出し、また治験担当医へのアンケートや日本産科婦人科学会への公開質問を出すなどの行動を起こしました。会場からの発現では、最近ある大学病院で出産した女性から、安全な薬であるという説明のもとにマイリスを使用されたという経験が紹介されました。マイリス問題に関しての妊婦への正確な情報提供がますます必要になっているようです。パースン会議としてのマイリスに関する活動に対し、今後の課題が示された会議となりました。

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