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米欧の糖尿病学会が共同して使用を推奨しない方針を打ち出すなど、アクトス類薬アバンディアが四面楚歌の状況に

2008-12-24

[キーワード:  アバンディア、糖尿病学会ガイドライン、グリタゾン類、アクトス]

 当会議の2008年10月の「注目情報」で、英国医師会が発行するHeart誌が、糖尿病治療薬のグリタゾン類(アクトスと日本未発売のアバンディア)には、臨床上の有用性を示すエビデンスがほとんどないとの論説を掲載したことを紹介した(※1)。また、フランスの著名な医薬情報誌プレスクリールが、アパンディアとアクトスは用いないようにとの意見を、重ねて表明したことを紹介した(※2)。これに続く動きである。
 ランセット誌2008年11月1日号は、世界の糖尿病学をリードする代表的な2つの学会である米国の American Diabetes Association (ADA) および 欧州のEuropean Association for the Study of Diabetes (EASD) が共同して、チアゾリジンディオン thiazolidinediones に属する アバンディア(ロシグリタゾン rosiglitazone )の使用に明白に反対するガイドラインを発表したことを論説でとりあげている(※3)。
 また、米国の有力医薬品監視市民団体パブリックシティズンは、アバンディアの市場撤去を要求する市民請願をFDA(食品医薬品庁)に提出した(※4)。
 後継薬が次々と開発中止されるなかで販売を続けていた、アクトスと並ぶブロックバスター(超ベストセラー製品)のアバンディアがいまや四面楚歌の状況にある。
 なお薬害オンブズパースン会議では、すでに「アクトスの販売中止と回収」を求める要望書および、公開質問書「アクトスは糖尿病治療薬としては不適です」を武田薬品に提出している(※5)。  (T)