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欧州製薬団体連合会(EFPIA)が販促活動の倫理規定を強化

2008-01-21

(キーワード: 医薬品販促活動、倫理規定、 欧州製薬団体連合会EFPIA、日本製薬工業協会)

 「製薬企業は、医薬品が何ものにも代えがたい人間の生命に深いかかわりを持つという本質の故に、常に『生命の尊厳』を第一義とし、科学に対する謙虚さをもって自らを厳しく律し、社会の信頼に応えなければならない」――これは、日本の製薬企業の連合体である日本製薬団体連合会(日薬連)が1983年に制定した「製薬企業倫理綱領」にうたわれている基本理念である。
 この基本理念の実践が製薬企業の社会的責務であり、産業の尊厳性を高めるという認識に立って、日本製薬工業協会(製薬協)は、1993年に「医療用医薬品プロモーションコード」を制定している(2004年改訂、※1)。
 このほど欧州製薬団体連合会(EFPIA)が、加盟企業の医療専門家に対する販促活動における倫理規定(プロモーション・コード)を改訂(※2)した。スクリップ誌2007年11月21日号
が「欧州製薬企業に対する医薬品販促活動の倫理規定が厳しくなった」の表題で記事にしているので、以下に要旨を紹介する。
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欧州製薬団体連合会(EFPIA)は、加盟企業の医療専門家に対する処方せん薬の販促活動における倫理規定を厳しくした。サンプル(製品見本)に関する条項を厳しくするとともに、コンサルタント料(顧問報酬)についての条項を新設したのがその特徴である。加盟企業はこの倫理規定を遵守する責務があり、違反する企業には制裁をもって臨む。
 市販後調査に関するルールが新設された。市販後調査結果の行政への報告が義務とされた。販売担当者は市販後調査の実施を販促に利用してはならず、彼らは学術部門の監督下に置かれねばならない。サンプルは、これまでは「数量を制限される」となっていたが、今回の改訂で「限られた期間での例外的な扱い」と位置づけられる。
 コンサルタントに関する条項が新設され、医療専門家をコンサルタントにする際の基準が定められた。とりわけコンサルタント業務は明文化された契約に基づかねばならないとされた。コンサルタントが製薬企業に関係する事項について話したり書いたりする際は必ず、利害関係をも明言せねばならない。コンサルタントは精選されねばならず、その数が制限される。
 製薬企業はあらたな倫理規定に速やかに対応するよう推奨されており、2008年7月1日には完全実施される。
 参考までに、日本と欧州の医薬品プロモーションコードが掲載されているウエブサイトを以下に示したが、比較すればすぐわかるように、日本のそれが倫理的な考え方の原則のみを短く記載しているのに対し、欧州のそれはかなり具体的な規定となっている。日本の製薬団体も欧州に見習い具体的な記載を行うべきであろう。  (T)